子どもが言い訳をしたとき、あなたはどんな反応をしていますか?
「言い訳するんじゃない!」
「じゃぁ、〇〇すればよかったでしょう??」
「すぐそうやって人のせいにして・・・」
こんな言葉を言っていても、何も解決しないしいい結果にはならないことを知っているのにどうしたらいいかわからない。
子どもが言い訳をしなくなればいいのに。と、子どもの言い訳に悩んでいる怒りんぼかーさん(通称:オコママ)と一緒に、子どもがどうして言い訳をするのかと、子どもが言い訳をしない方法をコーチングの観点から学んでいきましょう。
子どもはどうして言い訳をするのか
子育てをしていると、気になってくるのが子どもの言い訳。
なにかっていうと「だって、〇〇だったんだもん。」って。
反省もせずに人や状況のせいにするんですよ!
子育てをする中では、子どもの失敗や大人から見ると理解できないと感じる子どもの言動は避けられません。
反省を促したり、次に同じ失敗をしないようにするためにその原因をはっきりさせようとして
「なんでそんなことしたの?」
と声を掛けることもあるでしょう。
そのときに出てきがちなのが子どもの言い訳。
「だって、〇〇だったんだもん。」
こんな決まり文句のように言い訳をする子どもにイライラするママも多くいます。
どうして子どもは言い訳をするのでしょうか。
怒られたくないから
子どもが言い訳をする原因のひとつには「怒られたくないから」という理由があります。
失敗の原因を聞かれている雰囲気がすでに険悪な場合は特に、子どもは怒られることを察してその話題が進むことを避けようとします。
話題の論点をずらすことで、大人の怒りがそれることを無意識に試しているのです。
たとえば、牛乳を倒してしまったときに
「だって、妹が押したんだもん。」
と言えば、ママの興味が妹にうつるかもしれませんね。
要するに、これは自分のことを守っている行動です。
傷つけたくないから
別の理由としては「他人を傷つけたくない」というのもあります。
自分ではなく、大切な誰かを守っていることもあるのです。
このときの言い訳は嘘であることも多くあります。
自分の発言で、誰かが不快な思いをしたら嫌だ。という思いやりの気持ちからも
嘘や言い訳が出てくることもあるのです。
自分の可能性を残しておきたいから
また、言い訳で状況を限定的にすることで「本当はできる」という可能性を残しておきたいという側面もあります。
「時間がなかったからできなかった」は、「時間があればできたのに」という可能性を
「忘れてたんだもん」は「忘れるまではやる気でいたのに」という可能性を含んでいます。
訊かれているから
実はこれが子どもが言い訳をする一番の理由です。
大人の「なんで〇〇なの!!」という言葉は、質問ですね。
「なんで・・・・?」と訊かれているから
「だって(その理由は)・・・。」と答える。
つまり、子どもは理由や原因を訊かれるから、その理由や原因を答えようとしているだけ。
それを大人が言い訳と捉えているのです。
「なんで忘れ物したの?」
「だって、時間がなかったんだもん。」
「なんでケンカしてるの?」
「だって、妹が先に叩いてきたんだもん。」
「なんでやっておかなかったの?」
「だって、知らなかったんだもん。」
これらの会話は、お互いの感情が落ち着いていれば違和感の少ないやり取りです。
ただ、訊いている側の感情が高ぶっていると子どもの言葉が自己弁護の言い訳にしか聞こえなくなってしまいます。
つまり、大人が感情的な状況で発した質問こそが、子どもの言い訳のきっかけになっていることが多いのだと言えます。
言い訳を引き出す質問とは
ただ、その原因は本当に自分だけでの力では解消することの難しいものが多いのも事実。
自分が同じように原因を探す質問をされたらどうなるでしょうか。
このように、「だって」という言葉を使わなくても、原因を探そうとすると他人や環境を理由とした(言い訳のような)言葉を発することが多くあります。
繰り返しになりますが、問題の原因の多くは自分だけで解決するのは難しいもの。
というわけで、言い訳を引き出しやすい質問は
WHY+否定(ネガティブ)
です。
つまり、先ほどお伝えした通り、大人からの
「なんで忘れ物したの?」
「なんでケンカしてるの?」
「なんでやっておかなかったの?」
という質問そのものが、子どもの言い訳を引き出していると言えるでしょう。
子どもの言い訳を許さずにいると
訊いた側が感情的になっているときに言い訳をされると許せなくなるという心情は、確かにあるものです。
しかし、子どもが発した理由に対して
「言い訳するんじゃない!」
「じゃぁ、〇〇すればよかったでしょう??」
「すぐそうやって人のせいにして・・・」
など
怒ることや不機嫌になることを繰り返していると、子どもはどうなっていくでしょうか。
そして、子どものとの関係性はどうなっていくでしょうか。
もう一度、同じように原因を探す質問をしてみましょう。
ウチの子も黙って何も言わなくなるから「返事くらいしなさい!」と怒ることがあります。。
このように
- 子どもに理由を聞く
- 子どもが理由を言う
- 理由を言い訳だと判断する
- 不機嫌になったり怒ったりする
という手順の思考回路やコミュニケーションを繰り返していると
子どもからの信頼が得られなくなったり、子どもが返事をしなくなったりすることにつながります。
これでは親子関係がよくなるとは思えませんし、本当に理由が必要なときにも困ってしまいますね。
子育てコーチングで脳が変わる
では、原因や理由を探すような質問ではなく、コーチングをベースとした質問に変えて、子どもの言い訳をなくしましょう。
コーチングでは
- 現状を認めること
- 未来を考えること
を大切にしています。
つまり、子どもが今の時点で忘れ物をしていても、ケンカをしていても、なにかができなかったとしても、今のこの状態を認めます。
そして、何が原因だったのかよりも、これからどうしたらいいかを考えるのです。
このために使う質問は
How + 可能・未来
です。
具体的には
「どうしたら~できる?」
「~だからどうする?」
「次はどうしようか?」
などと訊くということ。
言い換えの方法としては
「なんで忘れたの?」から「忘れたから、どうする?」
「なんでケンカしてるの!」から「どうしたら仲良くできる?」
「なんでやっておかなかったの!」から「今からどうしようか。」
です。
ご自身に置き換えて質問をしてみましょう。
子育てにコーチングをベースにした質問を取り入れると、子どもの脳が言い訳や理由を探す脳からこれからできる可能性を探す脳に変化していきます。
「だって・・・」の言葉をなくすために、ぜひ取り入れていってください。
原因はなくさなくてもいいのか
でも、原因を探してそれを改善する方が早くないですか?
例えば
忘れ物やケンカ、時間に遅れるなどの原因は、さまざまな要素が関連していることが多いですし、その原因の中には本人がコントロールできないこともあります。
そんなときには、原因を考えるよりもその時点からできることを考えた方が考え方が前向きになりますし、行動が促進されます。
過去の原因やきっかけを考えているときには行動が止まってしまうのです。
一方、同じ原因から何度も失敗を繰り返してしまう場合などは、原因を改善する方が早いこともあります。
そんなときには
「次に同じ失敗を繰り返さないためにできることは?」
と訊いてみましょう。
これは、その原因を子どもが探し、改善策をも見つけることができる質問です。
子どもは自分で考える力を持っています。
大人が方法を考えて指示するよりも、自分で考えさせることこそが自立への道なのです。
もちろん、この質問をすることで、
大人が想定をしなかった答えが子どもから出てくることもあります。
大人から見ると常識から外れた答えが出てくることもあります。
子どもが答えを出さないこともあるかもしれません。
そしてまた、同じ失敗を繰り返すこともあるでしょう。
それでもかまいません。
質問をきっかけにして、どうしたらいいかを自分で考える。
これを繰り返すことこそが、子どもの頭の中から言い訳をなくし、前向きな行動を促進させるきっかけになるのです。
子どもが答えを出せないときには
子どもがすぐに答えを出せなかったり、答えがわかっているのに言いたくなかったりする場合など、質問に答えないこともあるでしょう。
しかし、人の脳には質問をされると答えを出そうと考える仕組みがあります。
答えない場合でも、子ども自信の考える力を信じて待ってみることが大切です。
「じゃぁ、考えておいてね。」と、声を掛けておくのもよいでしょう。
ただし、子どもから「わからない」という返事があるなど、本当に答えが見つからなそうな場合や、考えることをやめてしまっている様子であるならば
「そっか。わからないよね。 ママは〇〇をするといいと思うよ。どう思う?」
などと、大人目線での提案をしてみることもあるといいかもしれません。
ここで忘れてはいけないのは、これは指示ではなく、提案だということ。
これをきっかけにして、子どもが行動を起こしたり起こさなかったり。
また、別の答えを見つけることもあるかもしれません。
その場合も子どもの選択や行動を尊重することを大切にしましょう。
元・怒りんぼかーさんのエピソード
ここで、元・怒りんぼかーさん(元・オコママ) やまだともこのエピソードをお話しします。
当時小学校1年生だった次女は、学校に遅刻しがち。
時計を気にしながら朝の支度をすることが苦手でした。
「なんで昨日のうちに持ち物をそろえておかないのよ!」
という毎朝の母の言葉に、行動を止め、涙ぐむ次女。
動きを止めてしまった次女に対して、さらに追い打ちをかけるように
「『はやく支度して学校行きなさい!』って言ってるでしょ!!」
というと
そのやりとりを見ていた小5の長女から
「お母さん、そんなこと言ってないし。」
と、笑われてしまいました。
私は「早く支度をして学校に行ってほしい」という気持ちでいるのに
感情が高ぶるだけで「Why + 否定(ネガティブ)」の質問をする癖がついていたのです。
考えていることと口から出している言葉が違うのであれば、伝わるわけがありませんよね。^^;;
私がこのコーチングの言い換えを身に付け
夜のうちに
「明日遅刻しないために今日のうちにできることは?」
と声を掛け
朝は
「今、何時?」
「今日は何時に出るの?」
「そのために今することって?」
と、訊くことを繰り返すことで
娘が自分で考えて自分で決めた時間を守れることが増えてきました。
子育てをする上で大切なのは、他人からの指示や命令を守れる子を育てることではなく、自分で考えた自分との約束を守れる子を育てることであると私は考えています。
まとめ
子どもの言い訳をなくすために親がすべきことをまとめると
- Why + 否定(ネガティブ)の質問をやめる
- How + 未来・可能の質問をする
- 答えが出ないときは提案もしてみる
- 子どもの出した答えを尊重する
です。
いかがでしたでしょうか。
この質問を癖にすることで、子どもの脳だけでなく大人の脳もポジティブに可能性へ向けた行動をする脳へと変化していきます。
子育てをする上で大切なのは、失敗を避けることよりも、今の状況によりよく対応していく力を身に付けていくこと。
一見、大人が「そんな方法で?」と思ってしまうような答えであったとしても、意外とうまく進むこともあるかもしれません。
子どもの自由な発想から、大人が学べることは実はたくさんあるのです。
子どもの答えを尊重し、その行動をサポートできる親でいるのが子育てコーチングです。
大人が行動を変えなければ変化は起こりません。
大人が行動を起こすから、子どもが変化するのです。
小さなことからやってみてください。
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