「怒るのではなく、叱った方がいい。」という言葉を聞いたことがありますか?
そもそも「怒る」と「叱る」の違いを知っていますか?
この記事では、感情的になるとつい怒ってしまう。子どもに怒ってばかりの怒りんぼかーさん(通称:オコママ)と一緒に、「怒る」と「叱る」の違いを理解して、子どもにうまく伝わる言い方を身につけましょう。
「怒る」とはなにか
「叱る」の意味はよくわかっていませんが、私はいつも怒っていると思います。
まずは「怒る」について、調べてみましょう。
[動ラ五(四)]《「起こる」と同語源。感情が高まるところから》
- 不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。「真っ赤になって―・る」
- よくない言動を強くとがめる。しかる。「へまをして―・られた」
goo辞書より引用
「感情が高まる」ということがポイントです。
さらに「怒る」には、他人を自分の思い通りにするために威圧的にコントロールしようとするという気持ちも含まれます。
「叱る」とはなにか
では、「叱る」とは、なんなのでしょうか。
[動ラ五(四)]
- 目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。「その本分を忘れた学生を―・る」
goo辞書より引用
日本語の「怒る」と「叱る」には、実は大きな違いがないと言われることもあります。
このままでは話が進まないので
この記事ではたびたび聞くことがある「叱る」は「然るべき姿を伝える」ことだという言葉を基準に考えていきましょう。
「然るべき」とは、なんでしょうか。
[連語]《連語「しかるべし」の連体形》
- (連体詞的に用いて)適当な。ふさわしい。「然るべき人に相談しなさい」
- (「…てしかるべき」の形で)当然である。当たり前だ。「君は謝罪して然るべきだ」
goo辞書より引用
そして、「叱る」の中には相手の未来を思って、自分の知識や経験を授ける。という意味も含まれるようです。
つまり
「怒る」は「(感情が)起こる」こと。
- 感情が高ぶって
- 我慢できない気持ちをぶつける
- 相手を自分の思い通りにするため威圧的な態度になる行動。
であり、
一方
「叱る」は「然るべき姿を伝える」こと。
- この状態がどうなったらいいのかや
どうなったらよかったのかを - 落ち着いて伝える
- 相手や環境を大切に思う気持ちからの行動。
と、表現できます。
「怒る」から「叱る」に変えるには
今まで怒っていたことを「叱る」に変えるには具体的にどうしたらいいのでしょうか。
食事の時間になってもテーブルの上が汚いままだから
「これ、全部捨てるよーー!!」と、怒鳴って片づけさせています。
「これ、全部捨てるよーー!!」の言葉掛けは
「怒っている」か「叱っている」かと言えば、「怒って」います。
怒鳴って感情的になっています点からも、そう言えますし
そもそも、「片づけてほしい」と思っているのに「捨てるよ」という言葉で伝えること自体が、コミュニケーションを放棄している状態と言えます。
こんなふうに感情的になると、思っていることと口から出る言葉が大きくかけ離れることがよく起こるのです。
では、この場面で「叱る」とすれば、どのように伝えたらよさそうでしょうか。
えーー。
でも、私、そうも言っています。
優しく「片づけなさい」って言っても聞かないから「捨てるよ」って言うしかなくて・・。
「片づけなさい」の言葉は、どんな行動を指示しているのでしょうか。
たとえば、ごみをひとつ捨てることも「片づける」であり、おもちゃをひとつおもちゃ箱に戻すことも「片づける」だとすると、もしかしたらママの期待に届かないだけで、子どもは「片づける」という行動をしているのかもしれません。
「これ片づけなさい」「これも片づけなさい」って言い続けなきゃいけないってことですか?
テーブルの上から物がなくなってキレイになってからご飯を食べたいんです!
子どもに伝える「然るべき姿」はこの場合、子どもの姿ではなく部屋の姿。
たとえば
「あと10分でご飯を食べたいから、テーブルの上のものを全部片づけて、キレイにしよう!」
と伝えてみましょう。
つまり
- 目的(ご飯を食べる)
- ゴールのイメージ(テーブルの上がキレイになっている)
- そのための行動(テーブルの上のものを全部片づける)
- 期限(あと10分)
という要素があると、伝わりやすいのです。
叱ったあとには
「テーブルの上をキレイにしよう!」と言う方が
言っている方も気持ちがいいですね。
そこはとても大切なポイントです!
子どもの行動を促したい場合、伝える側が気持ちよく伝えられる言葉を使うことが大切です。
気持ちよく伝えられると
子どもがその行動を起こしたあとにも、気持ちのよい言葉を掛けられるはずです。
この例でいうと、テーブルの上がキレイに片づけられたとしたら
例えば
「わぁ!気持ちがいいね!」
「さすがー!」
「やったじゃん!!」
などの言葉をはっきりと伝えましょう。
笑顔で「イェーイ!」とハイタッチをするのもいいですね。
「キレイにしちゃおうー!終わったらハイタッチしようー!」
という言葉掛けも、とってもいいと思いませんか?
使いたくなってきました!
元・怒りんぼかーさんのエピソード
ここで、元・怒りんぼかーさん(元・オコママ) やまだともこのエピソードをお話しします。
片付けが苦手な私。
自分が片づけたくないので(笑)、子どもたちには自分の使ったものくらいは片づけて欲しいといつも思っていました。
そのときに使っていたのがまさに「片づけなきゃ捨てるよ!」という言葉。
いつも子どもを脅しているような毎日だったような気がします。
「片づける」という言葉を発するときの私の態度がいつも不機嫌であったため、子どもたちにも「片づけは嫌なものだ」という意識を植え付けてしまっていました。
さらに、「私が使ったんじゃないもん」と言われてしまうと、私もどうしたらよいかわからなくなってしまうことも多々。
しかし、
この「片づけなさい」という言葉を「キレイにしよう」に変えただけで、私の表情が変わり、子どもたちの行動が変わりました。「キレイにする」を目的にしたとき、私たちにとって誰が使ったのかは関係なくなったのです。
「キレイにしよう」という言葉を使うようになってからは、少なくとも食事の前にはテーブルの上が自然に片付く習慣がつき、さらに片づけ終わったときには「キレイになったね。」「気持ちがいいね。」という言葉を掛けることで、食事も機嫌よく始められるようになりました。
まとめ
本来の「叱る」の意味合いとは、違うのかもしれませんが
子どもが素直に動くために心がけておくべきことは
- 目的・ゴールのイメージ・そのための行動・期限を
機嫌よく伝えること - 行動のあとにはママが子どもと一緒に喜ぶこと
です。
いかがでしたでしょうか。
一緒に喜ぶことをイメージしながら、子どもに伝えようとすることで
怒ったり脅したりすることが選択肢からなくなるはずです。
この伝え方を身に付ければ、親子の信頼関係も上がり、家族の雰囲気も良くなっていきますよ。^^
大人が行動を変えなければ変化は起こりません。
大人が行動を起こすから、子どもが変化するのです。
小さなことからやってみてください。
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