子どもを甘えさせるのはいいが、甘やかしてはいけない。という言葉を聞いたことがありますか?
「甘やかす」と「甘えさせる」は何がどう違うのかを知っていますか?
ママたちの悩みを聞いている中で
「教科書を一緒に探してあげるのは甘やかしですか?」
「お菓子を買ってあげるのは甘やかしてるのかなぁ。」
「着替えを手伝うのは?」
というような質問をよく受けます。
実は「手伝う」「買ってあげる」という行動だけでは、それが「甘やかし」なのか「甘えさせ」なのかを判断することはできません。
このページでは「甘やかす」と「甘えさせる」の2つの違いと、その育て方が子どもに将来的に及ぼす影響について解説します。
Case1:教科書がないー!
まずは、朝になって教科書がないと騒ぐ小1の女の子に対しての対応です。
甘やかしママと甘えさせママはどう違うのか見てみましょう。
甘やかしママの場合
まったくもう。
だから片づけておきなさいっていつも言ってるでしょ!!
甘えさせママの場合
ママが助けられることはある?
よかったね。
何が違うのでしょう
「教科書がない」という困りごとに対して、どちらのママも「探すのを手伝う」という行動をとっています。
この2人は何が違うのだと思いますか?
甘やかしママの場合は
子どもの力では見つからないだろうと思いながら、頼まれていないうちに勝手に探すことを始めています。
甘やかしたまま育ってしまうと・・・
自分から頼んでいないのに助けてもらえることが当たり前になると、困ったときに自分から人に助けを求めることに抵抗を感じてしまうようになるかもしれません。
甘やかしてくれる存在がなくなったときに「私が困っているのに誰も助けてくれない・・・」と、孤独を感じてしまうかもしれません。
甘えさせママの場合は
子どもが求めていること(一緒に探してほしい)という気持ちを聞いてから、その望みを叶える行動をとっています。
甘えさせて育てると・・・
自分は、助けを求めれば助けてもらえる。という気持ちから、自己肯定感が高まります。
望む結果が手に入ったときにママが喜んでいるのを見ることで、自分も人に助けを求められたら助けてあげたい。という思いやりを持つ子に育ちます。
Case2:お菓子買ってー!!
スーパーに買い物に行ったときに、「お菓子買ってー!」と騒ぐ5歳の男の子。
甘やかしママと甘えさせママはどう違うのか見てみましょう。
甘やかしママの場合
今日だけだからね!!
買ってあげるから静かにしてっ!
甘えさせママの場合
帰って家にあるのを食べようよ。
じゃあ、今日は家にあるのを食べて、明日また選ぼう。
お菓子、どれにしようか。
何が違うのでしょう
「お菓子を買って欲しい」という子どもの要求に対して、どちらのママも「今日は買わない」という態度を取ろうとしています。
この2人は何が違うのだと思いますか?
甘やかしママの場合は
「買わない」という言葉を使って子どもの欲求に対して禁止を示し、子どもがうるさいからという理由で受け入れています。
目の前の問題(子どもが騒ぐ)に対して、モノ(お金)を使って解決しようとしています。
甘やかしたまま育ててしまうと・・・
自分の欲求は普通に伝えるのでは受け入れられないことと、相手を困らせることで欲求が通ることを学んでしまいます。
自分の欲求を通したいときには相手を困らせればいいのだ。という思考回路ができあがってしまうかもしれません。
甘えさせママの場合は
今日の欲求を抑制させるために「食べる」「選ぶ」という言葉を使って、子どもの行動を認めています。
次の日には約束を積極的に守ることで、子どもに安心感と信頼感を与えています。
甘えさせて育てると・・・
自分の欲求は先に相手の欲求を受け入れることで、叶えられることを学びます。
約束が積極的に守られることで、親への信頼が強くなり、自分も約束を守ろうとする力が育まれます。
約束が守られることを知っているから、「明日選ぼう」の言葉を受け入れられるのです。
Case3:着替えさせてー!
保育園に行くのに、自分で着替えられる日と着替えられえない日がある4歳の女の子。
甘やかしママと甘えさせママはどう違うのか見てみましょう。
甘やかしママの場合
まだ赤ちゃんなのねー。
先生に「お着替えできない赤ちゃんなんです」って
言っちゃおうかなー。
恥ずかしいねぇ。
甘えさせママの場合
じゃぁ、今日はお手伝いするね。
お着替えだってもうすぐ毎日できるようになるね。
よし。お着替え完了!
何が違うのでしょう
「着替えさせて欲しい」という子どもの要求に対して、どちらのママも手伝っています。
この2人は何が違うのだと思いますか?
甘やかしママの場合は
子どもの人格を「しょうがない子」「赤ちゃん」と決めつけて、手伝ってもらうことを「恥ずかしいこと」と、子どもの心理をネガティブにコントロールしようとしてます。
甘やかしたまま育ててしまうと・・・
人格を否定されることで自己肯定感が下がってしまいます。
手伝ってもらうことはよくないことで、恥ずかしいことだと思ってしまい、人に助けを求められなくなってしまうかもしれません。
助けを求めている人を見て、相手を馬鹿にした態度をとってしまうかもしれません。
甘えさせママの場合は
「今日は」と限定することや「もうすぐできる」という言葉を使って、本当はサポートがなくてもできるとを知っている表現しています。
欲求をポジティブに受け入れて叶えることで「ありがとう」という言葉を引き出しています。
甘えさせて育てると・・・
自分にはできることが増えていっているという自信を積み上げて、人はどんどん成長するのだという意識を持てます。
自分ができることでも助けを求めていいし、人を助けることは心地が良い。ということを学びます。
まとめ
ここで「甘やかす」と「甘えさせる」の違いをまとめます。
甘やかす | 甘えさせる |
---|---|
親の対応は・・・
|
親の対応は・・・
|
子どもの将来は・・・
などの可能性が高まります。 |
子どもの将来は・・・
などの可能性が高まります。 |
「甘やかす」と「甘えさせる」の違いはわかりましたか?
子どもを上手に甘えさせて、子どもとの信頼を育む子育てをしましょう。^^
動画でも解説しています
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