2人以上の子どもを育てていると、逃れられないのがきょうだい喧嘩。
筆者自身も2歳差3人(女・男・女)の子育てをしている中で、一番の悩みの種はきょうだい喧嘩でした。
きょうだい喧嘩が始まるたびに
「いい加減にして!」
「ふたりとも悪い!!」
「離れていなさい!!」
何度言っても繰り返される喧嘩に怒鳴ることにも毎日疲れ切っていました。
この記事ではそんな怒りんぼかーさん(過去の私・通称:オコママ)とともに、子どももママも納得してハッピーになれたきょうだい喧嘩の対処法を身に付けましょう。
よくあるきょうだい喧嘩
早速、よくあるきょうだい喧嘩の一例を見てみましょう。
子ども部屋から出てきた下の子が泣きながら、リビングにいるママに訴えかけに来ました。
ドシドシドシドシッ!!
子ども部屋に入っていくママ。
なんなのその謝り方は!!心がこもってないわね!!
くっついても喧嘩しかしないんだから離れてなさいよ!!
ドカドカドカドカッ!!
リビングに戻るママ。
しばらくすると子ども部屋から声が聞こえてきます。
(・・・また喧嘩が始まる!!)と勝手に感じるママ。
いい加減にしなさいっ!!
離れなさいって言ってるでしょう!!!
きょうだい喧嘩を客観的に見てみると
近づくから喧嘩になるのに!!としか思えません!
もうすこし冷静になって
- 最初に子ども部屋から出てきたときの下の子は、どうして欲しかったのでしょうか
- 子どもたちが自分が原因ではないと言い張ったのはなぜでしょうか
- ママは本当はふたりにどうなって欲しいのでしょうか
こんなことを考えながら、対処のステップを探りましょう。
解決せずに対処する方法
『最初に子ども部屋から出てきたときの下の子は、どうして欲しかったのでしょうか』
この答えは、少なくとも
- ママを困らせたい
- ママを怒らせたい
- ママを悲しませたい
こんな気持であったわけではないはずです。
だから、ママは、困る必要も、怒る必要も、悲しむ必要も、ないのです。
そして、下の子はママに対して
喧嘩を解決してほしいと思っているわけでもありません。
きょうだい喧嘩を親が解決する必要ありません。
ここからは、小さなステップで対処法を身に付けましょう。
対処法ステップ1:ひとりずつ話を聴く
上の例では
- 下の子の言い分が聞こえると、上の子に向かって言葉を発し
- 上の子が何かを言うと、下の子に向かって話しかける
という
ママがそれぞれの代弁をしながらお互いの「良くない点」ばかりに注目してそれを指摘することで、子どもたちのそれぞれの怒りを増幅させているようにも見えます。
誰の気分もよくならない状況を作り出すこの行動。
きょうだい喧嘩を解決しようとしているどころか、まるで火に油を注いでいるようにも感じませんか?
コミュニケーションにおいて大切なのは、まずひとりずつの話を聴くことです。
対処法ステップ2:原因をつきとめようとしない
彼女はきっと「お兄ちゃんが悪い」としか言わなそうだし。
ふたりに話を聞かないと本当のことがわかりません。
「本当は自分が悪かった」などとは、なかなか言えないものですよね。
そもそも「原因」とは、なんでしょうか。
そもそもの喧嘩のきっかけは、
床に置きっぱなしのおもちゃを使おうとしただけかもしれない。
ふざけてボールを投げたら、たまたま当たってしまっただけかもしれない。
すれ違おうとしたら、ぶつかってしまっただけかもしれない。
一方に悪気がなくても、もう一方が不快だと思ってしまうことはよくあることです。
特にきょうだい喧嘩の場合は、本当に些細なことがきっかけとなっていることが多いもの。
ほとんどの場合、きょうだい喧嘩の原因を突き止める必要はありません。
不機嫌に原因を突き止めようとすればするほど
「自分は悪くない」
「相手が悪い」
の言い合いになることが多く、誰もいい気持ちになりません。
対処法ステップ3:共感する
『最初に子ども部屋から出てきたときの下の子は、どうして欲しかったのでしょうか』
という質問にもう一度戻ってみます。
人は、できごとよりも感情をわかってもらえると安心します。
そして、言ったことをそのまま信じてもらえると、安心します。
具体的なやりとりを例にすると
と、ひとりだけの話を聴きます。
このときは
「痛かった」
「イヤだった」
「悲しかった」
「悔しかった」
などの感情にだけ注目をすることと
「叩かれた」
「何もしていない」
などの行動が本当であるかどうかは気にしないことが大切です。
否定されずに一通りの話を聞いてもらうことができれば、満足をする可能性も高く
そうすると
と思えてくるかもしれません。
「また遊びたい」と思えるのは、きょうだいの関係性が良好である証拠です。
対処法ステップ4:落ち着いてから提案をする
片方が泣くような喧嘩をした場合はもう一方も興奮している場合が多く、その場で冷静に話をするのは難しいものです。
つまり、そのタイミングは、落ち着いてきた頃。
上の子の方から近寄ってきたときに声を掛けましょう。数十分~数時間後でも構いません。
そのときも、責めたり決めつけたりしないように注意し、共感を意識しましょう。
例えば、上の子がリビングにお茶を飲みに来たときなどに
ママは、あなたには叩き返す以外で解決する力があるって思ってるんだけどな。どう?
と、ここでもひとりだけの話を聴きます。
このときにも
「妹が先に叩いてきた」
「妹を叩いた」
などの出来事が本当であることや、善悪の評価をしないようにし
「腹が立った」
という気持ちに共感をするとともに
否定や指示はしないことを心がけましょう。
すると
上の子が部屋に戻っていったとき
という会話が聞こえてくるかもしれません。
このときにママが穏やかであるならば、「仲直りしたのだ」と捉えることができますね。
子どもたちは喧嘩ばかりしているわけではない。
仲良く遊んでいる時間も多くあるのだ。ということに注目しましょう。
親が否定的な口出しをしない
きょうだいが喧嘩をしているときには気になる関係も
仲良く遊んでいるときには、注目せずにいることも多いのではないでしょうか。
コーチングの考え方では
「どうなりたいのか」
「どうなって欲しいのか」
を考え
「実現できている部分に注目すること」
を大切にしています。
つまり
きょうだい喧嘩をして欲しくないという気持ちよりも
親は、きょうだいに仲良くしてほしいと思っているし
きょうだい同士も、お互いが仲良くしたいと思っている
という気持ちを意識し、
「仲良くしているとき」に注目することが大切です。
つまり、きょうだい喧嘩には口を出さず、仲良くしているときにこそ「仲良しだね」と声を掛けましょう。
すると、子どもたちも
「自分たちは仲良くできている」
「仲良くしていることが心地よい」
ということを意識できるようになるはずです。
さらに
きょうだい喧嘩も、コミュニケーションの一部。
- ひとりっ子では経験できないことである
- 関わろうとするからこそ喧嘩が起こる
- 喧嘩した分だけ仲直りができている
とも、捉えることができるのです。
「きょうだい喧嘩は悪いこと」と決めつけず、
軽い言い合いや、軽い取り合いなどのときにも、ほほえましく見守りながら
「仲良しだね。」と、声を掛けてもいいかもしれません。
「きょうだい喧嘩をしていること」ではなく
「きょうだいが仲良くすること」に注目し、それが増えていく関係を目指しましょう。
やりすぎの言動が気になるときには
コーチングは「やる気を上げる」ことに効果的なコミュニケーションの技術ですが
実は、「やる気を下げる」ことにも使うことができます。
人は、自分の行動が目的と合致しているとき、やる気が上がります。
逆に、自分の行動が目的と合致していないとわかるとやる気が下がるのです。
つまり、きょうだい喧嘩が「仲良くしたい」という目的に合致していないということを質問を使って気づかせましょう。
「なんで叩いたの?」と原因を訊いてしまうと、理由を探して自分の行動を正当化しようとしてしまいます。
つまり
「今、なんのために叩いたの?」
「今の言葉は、なんのために言ったの?」
と、目的を訊くのが効果的。
「ママは仲良くしてほしいな。」
「仲良くするために、なにができる?」
という
ママ自身の希望や、次の行動につながる質問をしてみるのもよいですね。
元・怒りんぼかーさんのエピソード
ここで、元・怒りんぼかーさん(元・オコママ) やまだともこのエピソードをお話しします。
冒頭にお伝えした通り、2歳差3人(女・男・女)の子育てをする中で、私の一番の悩みの種は、毎日のきょうだい喧嘩。
3人ともが主張の強い子どもたちで、常に長女と長男が、長男と次女が、長女と次女が、飽きもせず言い合い、取り合い、叩き合い、いつも誰かが泣いているような状態でした。
そのため、子どもたちが仲良くしているときでさえ
「いつ喧嘩が始まるのか」
「また喧嘩になるに決まっている」
という思い込みに支配され、
少しでも言い合いが始まった途端
「だからくっつくんじゃない!って言ってるでしょう!!」
と、まるで喧嘩が始まるのを待っていたのかのように声を荒げていたような気がします。
コーチングの勉強を進めていく中で
「子どもたちには、離れていて欲しいわけではない。」
「家族仲良くしていたい」
「この子たちは喧嘩をしてでも気持ちを言い合える関係にあるのだ」
という気持ちに気づき
「喧嘩はいけない」
「喧嘩はやめるべき」
という思いを手放すことができたあとには
「喧嘩の数だけ仲直りをしている子どもたち」を尊敬するようにもなれました。
子どもたちの年齢も上がり、関わる時間がどんどん短くなるのを感じる今は
テレビのリモコンを取り合う関係を見ても
ゲームで負けたことに腹を立てている姿を見ても
「仲いいねぇ。^^」と
声を掛けるようにもなりました。
それでもたまにくる行き過ぎた言動のときには、この記事にあるように
「今のはなんのためにやったの?」
と訊いてみることで、(子どもは質問に答えませんが)
「やめなさい」というよりもはるかにスムーズに冷静になることを体感しています。
コーチングを身に付けた今は
「3人きょうだいでよかった。」と心から感じられるようになり
3人の子育てを地獄の日々だと思っていたあの頃からは想像もできないほどのおだやかな日々を送っています。
まとめ
コーチングを使って、きょうだい喧嘩のやる気を”下げる”には
- きょうだい喧嘩はよくないもの・やめるべきという思い込みをやめてみる
- 親が喧嘩の解決をしようとしない
- ひとりずつの話を聴いて感情に寄り添う
- 事柄が正しいのかどうかや善悪を評価しようとしない
- 指示ではなく提案をする
- 仲良くしている時間に注目する
- 行き過ぎを感じたときには「なんのために?」と訊いてみる
です。
いかがでしたでしょうか。
「きょうだいは仲良くしたいと思っているし、家族もそれを望んでいる」という気持ちを忘れずにいることと
「喧嘩はよくないもの」という思いを手放すことで、声の掛け方が変わってくるはずです。
今日からは、「きょうだい喧嘩も子育ての醍醐味!」と言える子育てをしていけたらいいですね。
大人が行動を変えなければ変化は起こりません。
大人が行動を起こすから、子どもが変化するのです。
小さなことからやってみてください。
さらにもっと自立した子に育てたいなら
ニュース番組でも特集された、勉強を自分からする子の育て方【無料】メール講座の受講をおススメします。
こちらをお読みください▼